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私店長ＫAZUは食べる事が好きである。

色々なお店を巡ってきた嗅覚でお店選びを失敗する事はほぼない。

今回は数年前に大失敗した体験談のお話です。
そのお店の名前は「大ちゃん」。

いまはすでにない。

そのお店を知ったのは確か地方紙のリビングに載ってたことを記憶している。
名物の「大ちゃん焼き」を食べに来てね！　と記載されてた。

歩いて数分との事もあり仕事終わりにまだ幼いわが子と妻と歩いてむかった。
店頭を見た瞬間に確かに胸騒ぎがしたが、お腹も減ってたので入店した。
入ってすぐ、大ちゃん家族が店内で食事してた。しかも子供が６人くらいいた。ここで立ち去ればよかったが、大ちゃんらしき人がいらっしゃい！とフレンドリーに近づいてきた。

何にする？とにかくタメ口で聞いてくることがまずアウト！
水もセルフで、しかもぬるいのがアウト！
夏なのにエアコンが効いていない店内がアウト！
食事を終えた子供たちが遊びまくるのもアウト！
店内を見回すと手書きのクレヨンしんちゃんが「このお店では円は使えませんお支払いはピコでお願いします！」とわけの分からない事がかいてあり、アウト！
壁に貼ってあるメニューにも大ちゃん焼き６５０ピコ　生ビール５５０ピコと平気で書かれたましたのでアウト！

なれない異空間の中動揺してると、何にする？と大ちゃんが聞いてきました。

無難に豚たま２つと瓶ビールを注文すると、「うちの豚たま、くそまずいけー大ちゃん焼きにしとき」との驚きの言葉に負け、しぶしぶ大ちゃん焼きってなんですか？と聞くと、開口一番「えっ有名な大ちゃん焼きしらんのん？だっせー！」と幼い娘の前でいわれ、ぶち殺しちゃろうかと思いましたが、ここはぐっと我慢。

どうやら大ちゃん焼きとは刻んだタマネギが沢山入ったお好み焼きだそうです。
ビールもセルフで自分で冷蔵庫を開けて飲むシステムで、またこのビールがくそ温かい。変な味がするのでラベルを見ると賞味期限切れでした。

暫くして大ちゃん焼きの登場です、ふつうーに旨い！

食べてると大ちゃんがちょこちょこと話しかけてくる、うまいじゃろ？うまいじゃろ？　どこからきたん？　めんどくさいのでアウト！

食べてると大ちゃんの子供たちが隣に座ってきて欲しそうに見てくるので食べる？ときくとまさかの「うん！」大ちゃんが取り皿を用意してくれて取り分けてあげたけど、大ちゃん止めようや！そこは・・・・

もう一刻も早く店を出なければならない！と脳が命令して来ました！

いそいで食べ終え会計のとき、大「はい1800ピコね」　ＫAZU「ピコ持ってません」
大「だっせ、今日は特別に円でいいよ」

ゲームセット！

店を出ようとすると、なんでここのお店知ったん？と聞かれたのでリビングで見たと告げるとそしたらこれをプレゼントといって　トースターに入れたら縮んで作るクレヨンしんちゃんの手作りキーホルダーをくれました。

 

こんなやつ

 

トホホホッという気持ちに初めてなりました。

数日後スクーターに子供を後ろに二人乗せて疾走する大ちゃんに出くわしました。

無茶苦茶な大ちゃん一家は数日後この町から引っ越していきました。

今思い出しても夢のような本当の話です。
「だいちゃん」